奉納
参宮同行 16名? 下の枠には、読み取れませんが16名の名前があります。
大正10年(1921年)
松目(絵馬師?)
非常に色鮮やかな絵馬です。
二人の武士が、妖怪を討ち取ろうとしている瞬間です。
妖怪は、手足は爪のはえた猫のような獣。尾は先が二股に割れています。
顔は、妖怪としか言いようのない表情です。
巻物が座卓の上にあり、下には広げられた巻物があります。妖怪退治にこの巻物が関係しているのでしょうか?陰陽師の呪文かな?
緊迫した妖怪退治の背景は、美しい山並みや花が咲き誇る樹木があり、対照的な構図です。
源頼政 鵺(ぬえ)退治
インターネット検索で、妖怪退治の画像検索していると、次の画像に出会いました。
なんとなく似ていませんか?
福津市のホームページには、「福津の絵馬」と題して絵馬を紹介しています。
この絵馬の解説を一部引用します。
源三位 頼政が、鵺を射落とし、郎党が短刀で刺し通している場面。怪物の頭は猿、体は狸、手足は虎、尾は蛇というものであった。
ウキペディア 鵺には、鵺について詳しく記載されています.
鵺退治の一部を引用します。
鵺退治
『平家物語』や摂津国の地誌『摂津名所図会』などによると、鵺退治の話は以下のように述べられている。平安時代末期、天皇(近衛天皇)の住む御所・清涼殿に、毎晩のように黒煙と共に不気味な鳴き声が響き渡り、二条天皇がこれに恐怖していた。遂に天皇は病の身となってしまい、薬や祈祷をもってしても効果はなかった。
側近たちはかつて源義家が弓を鳴らして怪事をやませた前例に倣って、弓の達人である源頼政に怪物退治を命じた。頼政はある夜、家来の猪早太(井早太との表記もある)を連れ、先祖の源頼光より受け継いだ弓「雷上動(らいしょうどう)」を手にして怪物退治に出向いた。すると清涼殿を不気味な黒煙が覆い始めたので、頼政が山鳥の尾で作った尖り矢を射ると、悲鳴と共に鵺が二条城の北方あたりに落下し、すかさず猪早太が取り押さえてとどめを差した。その時宮廷の上空には、カッコウの鳴き声が二声三声聞こえ、静けさが戻ってきたという。これにより天皇の体調もたちまちにして回復し、頼政は天皇から褒美に獅子王という刀を貰賜した。
ウキペディアの解説によれば、源頼政は「雷上動(らいしょうどう)」という弓を手にして怪物退治をしていますが、太刀八幡宮の絵馬は、弓を持っていません。
鵺の姿も、尻尾は蛇には見えないので、別の怪物退治かもしれません。
ただ、「先祖の源頼光」といえば、以前紹介しましたね。
絵馬シリーズとしても、つながりがあるのかもしれません。
絵馬師は、絵馬の見本集みたいなものを持っていたと思うんですが、こういう妖怪退治、鬼退治といった題材も、人気があったのでしょうか。
私の子供時代のテレビでも、ウルトラマンや水戸黄門のような悪者成敗する番組は人気がありました。
いつの時代も正義が勝ち、悪や怪物を亡ぼすことが、皆の願いだったということでしょう。