太刀八幡宮の本殿前には、神様をお守りする狛犬さん達が、3対並んで私たちを出迎えています。
本殿前が一番古く、そして小さい狛犬です。
手前に来るにしたがい、新しくそしてサイズも大きくなっています。
献納された年代が違いますので、比較も楽しいです。
一の狛犬
口を開けた顔が一部欠けています。
最初、欠けた顔がかわいそうで、修復出来ないのかな?と思っていましたが、古い有名な神社でも欠けた顔の狛犬たちがあり、これはこれで年代物としての味があるのかなとこの頃は思っています。
台座の紋様は何でしょうか?蓮の花?
口は閉じています。
今(2023年)から、184年前の建立です。
富地保長
星野茂三郎
裁?澄
建立
献納した方々の名前が、彫られています。
星野茂三郎さんといえば、以前のブログ「太刀八幡宮を参拝する維新の志士達」で紹介した明治維新の志士達を匿(かくま)った大庄屋さんです。
大庄屋 星野茂三郎の家が、勤王の志士達の隠れ家になったのは、1850年頃からです。
以前のブログ「太刀八幡宮を参拝する維新の志士達 野村望東尼」で野村望東尼が大庭に来た頃の出来事を年代順に並べてみたのですが、一部抜粋します。
安政3年(1856) 望東尼 大庭に来訪
11月10日 月照さん 鹿児島の城下に着く
この狛犬さんは、明治維新の志士達の祈りを、神様方と一緒に聞いていたのですね。
二の狛犬
左足を少し前に出しているからでしょうか、躍動感があります。
台座の紋様は、一の狛犬とは変わっていますね。
何の花かな?
こちらも、同様に襲いかかるような躍動感を感じます。
石工達も、一生懸命腕を磨いて作成しているのですね。
苔むして、献納した方々の名前を判別出来ません。
大嘗祭記念
大正四年十一月吉日
1915年ですから、今から108年前です。
第三の狛犬
堂々とした威圧感があります。
台座の形は、まるで高級な花台のようなおしゃれな形になっています。
苔むして判読不能です。
昭和八年四月五日 参宮同行
1933年なので。90年前の建立です。
狛犬とは
普段何気なく狛犬という言葉を使っていますが、ユーチューブに京都国立博物館が作成した子供向けの「今日から君も狛犬博士」という動画がとても参考になりました。
この動画を見れば、右が獅子で左が狛犬ということが分かります。
狛犬を見るのがますます楽しくなります。
日本の想像上の生物
狛犬をインターネット検索すれば、日本の想像上の生物という言葉を見ることがあります。
神社で良く彫り物で見る龍も同様に言われています。
私は以前、滝の修行をしていた時に、導師から龍や不動明王はじめ多くの仏様のことをお聞きしました。
導師が目の前にいる印を結んだ仏様が誰なのか分からずにいると、後ほど仏像の本の中でその名前を知ることがあったということです。
導師同様に仏様を見る事の出来る彫師が、その姿を彫り上げたのですね。
私には、神様・仏様・霊獣達を見ることは出来ませんが、見える人は今も昔もたくさんいるのだと確信しています。
龍も見える人によって、絵や彫り物の姿が変わっているだと思います。
狛犬たちも同様に、普段見る事の出来ない私たちにすれば「想像上の生物」という言葉で説明してしまいますが、私は実際にいると思うんですよね。そうでないと、全国の神社に奉納されている訳がないと思っています。
神様の周りを、ぴょんぴょん飛び回っている狛犬さん達を想像すると、楽しいですよね。
そういえば、我が家の柴犬がまだ1歳にならない頃、神社の狛犬近くに行くと、逃げ回っていました。
狛犬が見えたのかな?
ワン🐕