氏神様は太刀八幡宮

1200年の歴史を紐ときます

太刀八幡宮の随神と獅子と天狗の面

太刀八幡宮の幣殿には、お神様を守る随神と獅子と天狗の面が一対置かれています。

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幣殿は、拝殿と神殿の間になります。

 

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(内藤宮司の了解を得て、謹んで公開します)

 

この奥の神殿に、三つの赤い内神殿が安置されています。その内神殿に鎮座しておられる主祭神3柱をお守りしています。

 

幣殿は普段、中扉が閉められていますので、随神を見ることは出来ません。例大祭の時、この御扉が開かれますので、その時に拝見することが出来ます。

 

 

随神(ずいじん)

東京神社庁のホームページに神社Q&Aとして随神の解説があります。一部引用します。

「随神」は、ご社殿や神社社地などを守る神さまをさします。その神さまは、随神門などに安置されていて、矢大神(やだいしん)・左大神(さだいしん)という俗称で呼ばれることもあります。
 左右二神共、弓と矢を携(たずさ)え剣を帯びていますが、これはその昔、武装して貴人の護衛にあたった近衛府(このえふ)の舎人(とねり)の姿で、彼らは「随身(ずいしん)」と呼ばれていました。その随身が転じて、主神に従い守護するという意味で随神となったのでしょう。

 

正中線

内藤宮司さんから教えて頂いたのですが、お神様の真ん中の線を正中線といって、お神様から見て左側の随神が位が高く、色は赤の方が格が上だそうです。以前紹介した「太刀八幡宮の社殿は美しい」の神殿にも、左側は赤鬼が,右側には緑の鬼が飾られていましたね。幣殿内の隋神たちと同じ色彩です。みんな神殿内のお神様を守っています。

『「林 修の今でしょ!講座」日本人なら知っておきたい2大講座SPお寺と神社マル秘作法』を見て、その内容をまとめてくれているホームページがありましたので、正中線の解説図を転載します。

問11.神社の参道のどこを歩くのが正しい?

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お神様から見たら左の随神の位が高いというのは、左方上位という考え方で、左大臣・右大臣、左京区右京区というのも、その思想の表れです。神様の話からそれますが、河川も山側(上流側)を背にして右側を右岸、左側を左岸と言います。左岸が格上ではないと思いますが・・・。

この左方上位について、やさしく解説している吉徳大光さんのおひな様の飾り方を引用します。

日本には古くから「左方上位(左側の方が位が高い)」という考え方がありました。ですから左大臣と右大臣では、左大臣の方が格上になります。神社で手水を使うときに左手から清めるのも同じ理由です。雛人形は平安貴族の姿をしていますが、平安時代の帝は、妃の左側(向かって右)へ座っていました。京都と関西の一部では、そのしきたりに従って、内裏雛を並べているのです。

一方現在の皇室では、天皇は必ず皇后の右側(向かって左側)に立たれます。座られる場合も右側です。この位置の取り方は、西洋式のルールにのっとっています。明治時代の終わり頃から日本でも西洋に準じて、このルールが取り入れられました。

 

ホームページには、関東と関西では、おひな様の並べ方が逆だとも書かれています

 

上皇上皇后両陛下の写真を、宮内庁ホームページから転載させていただきます。

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解説のとおり上皇様が右にいます。

 

上皇上皇后様の思い出

かれこれ30年前頃の話になりますが、当時東京都八王子市で仕事をしていました。八王子は、武蔵野墓地があり、大正天皇、皇后そして昭和天皇、皇后の御陵が有ります。そういうことから、当時天皇皇后両陛下も八王子に足を運ぶ機会がたびたびあったのだと思います。

天皇皇后両陛下がいらっしゃるという情報が入ると、職場のおばちゃんが「挨拶するよ」と事務所の2階の窓ぎわにつれていかれ、パトカーに護衛された両陛下の車に向かって、天皇陛下〜」と叫びながら両手を振るのです。私は恐縮しながら、右手をはにかむ様に振っていました。そうすると車の窓がスッと開いて、両陛下が手を振って応えて下さったのです。おばちゃんは、「いつも、ああして手を振ってくれるのよ。」と説明してくれましたが、当時の私にとっては大事件で、天皇陛下のお車に2階から見下ろしながら手を振っていることに、お咎(とが)めがくるのではないかと思ったものでした。しかし、お咎めは無く、その後も天皇皇后両陛下が八王子に訪れる度に、私たちは手をふり、両陛下は毎回窓を下げて応えて下さいました。その気さくなお姿に、感動していました。

両陛下のこの気さくな姿勢を思い出した時、太刀八幡宮のお神様も(日本中のお神様も)きっと気さくな神様だと感じるんですね。かしこまってお参りすることは大切だと思うんですが、それよりも、たびたび顔を見せて「おはようございます、今日も良い天気ですね。」と気楽に神社に足を運んでくれると、お神様は喜ぶんじゃないかなと思うのです。毎日参拝している私の実感です。

 

正中線で検索するとびっくり

ちなみに正中線で検索すると妊婦さんのお腹の記事がたくさん出てきます。いやほとんどです。人間の体の名前も不思議ですよね。妊婦さんの話のついででなんですが、子宮で胎児が育ち、産道を通って出産しますよね。まるで神社です。子供のお宮があって、産道(参道)を通ってこの世に誕生するなんて、人間は神様ですか?

 

今回も、随神の一枚の写真から、色々なことを学ぶことが出来ました。ありがとうございます。😊