氏神様は太刀八幡宮

1200年の歴史を紐ときます

太刀八幡宮の絵馬 その13 抜刀の武士と髪に矢を刺した女

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奉献

明治30年(1897年)4月

平田政平他12名

丁関春日〇〇  作者の名前?

126年前のものです。色あせていますが、絵から迫力が溢れています。

 

最初この絵馬を見たとき、竹を持った女が武士を追いかけていると思いました。

 

良く見るととても不思議な構図です。

 

場所は波打ち際です。海でしょうか、川でしょうか。

武士の足元は、緑が多いですので、川かもしれません。

 

武士は剣を片手に、波を前に敵に向かっているのでしょうか。

足の踏ん張りが力強く感じます。

 

左手は、後ろの女を「待て」と制止しているようにも見えますね。

 

後ろの女は、髪に矢が刺さっています。

武士は弓を持っていないので、武士が女を刺したのではないのでしょう。

矢を刺した敵が波の向こう側にいるのでしょう。

 

鶴田多々穂さんは、「二本竹にシメを張った笹が強く靡(なび)いている」と表現しています。

この竹は何を意味しているのでしょうか?

この女性は、巫女さんなのでしょうか?

巫女さんに矢を射るなんてどういうことでしょうか。

 

良く見ると、武士と女の間というか女の足元には、もう一人女らしき人が頭巾を被っているような佇(たたず)まいで、走る女を見ているように見えます。

子供じゃないですよね。

 

神話の一場面なのでしょうか?

伊邪那岐命が黄泉の国から逃げ帰る時、伊邪那美命が髪を振り乱して追いかけたという話がありますが、この絵馬の場面とは少し違うようです。

 

どういう物語がこの絵馬に込められているのでしょうね。

 

インターネット検索してみても、この絵馬に似た題材を見つけることは出来ませんでした。😞

 

絵馬の背面に、何か書かれているのではないかと、夏越しの祭の時にスマホで写真を撮ってみました。

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埃がいっぱいで、何か書かれているのかも分かりません。

少し小さい絵馬が、掛かっている様です。

 

この絵馬が奉納された時、奉納者の方々や氏子の方々は、歓声をあげて絵馬に見入ったのでしょうね。

いつものように、この絵馬を熱く語る長老の話を、みんな楽しそうに聞いています。

😂😄

 

今は、その余韻を感じます。🌈