氏神様は太刀八幡宮

1200年の歴史を紐ときます

太刀八幡宮の絵馬 その14  歌舞伎の風俗画

f:id:goodlightsato:20230729135155j:image

善光寺同行 19名

奉納年月は色あせて読み取れません。

大内竹春 絵馬師の名前

「福岡県の絵馬(平成9年3月)の資料の中に、多々連天満宮の絵馬(神功皇后伝絵)明治6年 の作者が大内竹春となっています。」

この絵馬も明治初期の作品でしょう。

 

歌舞伎の風俗画というのは、鶴田多々穂さんの付けた題名です。

 

 

歌舞伎は江戸時代には、庶民の娯楽として楽しまれていたようです。

 

歌舞伎の舞台の一場面でしょうか。

舞台の幕というか飾り幕の図柄は、笹竜胆(りんどう)でしょうか?

右の武士の着物にも同じ柄が描かれています。

 

真ん中の武士は、右手に刀を持ち、左手には何か丸い筒のような物を持っているように見えます。何が入っているのでしょう。

黒っぽい着物に、朱色ではでな袴(はかま)を着ています。

読み取れませんが、どこかに家紋が入っていても良いですよね。

女性を見ているのでしょう。

 

女性は少し悲しげなしぐさを感じます。

奥様なのでしょうか。

 

歌舞伎の学びが無ければ、この一場面で物語を語ることは出来ませんね。

 

笹竜胆紋

 

笹竜胆を検索すると、「家紋のいろは」さんのホームページが詳しく家紋を紹介しています。

irohakamon.com

一部引用します。

笹竜胆紋は、笹に似た5枚の葉を下向きに広げて描き、その上に3つの花を描く。

絵馬の紋は、五枚の葉に、花が一つです。

ホームページには、その他の竜胆紋47種も紹介されていますが、絵馬の紋はありませんでした。

 

仮に笹竜胆紋だとすると、源氏に関わる物語かもしれませんね。

 

歌舞伎「絵本太功記」

この絵馬に似た題材をインターネットで検索していると,刀剣ワールドさんの浮世絵の中に少し似ているものが見つかりました。

 

www.touken-world-ukiyoe.jp

 

浮世絵のように、名前が記載されていると良くわかるのですが、絵馬にはそういう風習は無かったのでしょう。

 

ただし、武士には笹竜胆紋の図柄はありませんね。

明智家は桔梗紋だということです。

ウキペディアより引用

 

 

この絵馬の題材となった歌舞伎の演目ははっきりしませんが、この絵馬が奉納された時は、歌舞伎を実際に見るがごとく、解説する長老の熱弁を聞いていたでしょうね。

 

奉納が終わって神様と一緒になって、直会してお酒を飲んでいる姿が、目に浮かびます。