12月になりました。
師走です。
朝の散歩の時も、風の冷たさを感じます。
太刀八幡宮の新嘗祭が、11月23日に行われたことは、先日のブログで紹介しました。
それとは別に、12月1日から太刀八幡宮の各地区の新嘗祭(宮祭り)が行われます。
12月1日、善光寺から始まり、左回りに開催され、小塚・中央、余名持、大角、三寺、上野原、乙王丸と続きます。
今日(12月1日)は、善光寺にお伺いして、新嘗祭の状況をビデオ撮影させていただきました。
場所は善光寺の公民館。
内藤主税 宮司さんが持参した祭壇を設営し、神饌(神様への供物)を供え、式典が始まります。
内藤宮司さんのお話もありますので、どうぞご覧ください。
続き
祭壇の写真
玄関前の飾り付け(今回写真を撮り忘れましたので、昔の写真です。)
川まつり
動画の中で宮司さんがおしゃっていますが、通常であればこの新嘗祭の神事の後、荷原川に出向き、そこに備えた祭壇でも神事が行われるのですが、豪雨対策の護岸工事の関係で、祭壇を作ることが出来ないため、宮司さんには橋の上からお祓いをして頂いています。
平成3年の写真ですが、川での神事の状況です。
この川まつりですが、農作業に大きな働きをしてくれた牛・馬を川で洗ったりして大切にしていました。その川に対する感謝の気持ちが、川まつりとして継承されてきているとのことです。
善光寺さんの写真集の中には、次のような説明書きがあります。
機械化農業の以前ずっと昔その昔から農業は、牛馬によって営まれていたので牛馬の数、竹筒に甘酒を入れて牛馬に感謝の意を表し祭られる
当時何頭牛馬がいたのか分かりませんが、その数竹筒を用意したのでしょうね。
朝倉町史の第9編民族のところに、「川まつり」という項目があります。
引用します。
カッパまつりともいい、川筋の朝倉町ではこのまつりが多く行われている。水難事故にあわないように、水田の水が枯れないように祈るまつりである。三島部落では毎年十月二十日に部落あげて「川まつり」を行っている。座元があって、当日は竹筒3本に甘酒を入れ、それを竹笹にくくりつけ、堀川とせり川に捧げてその余りをいただくのである。この川まつりの由来は民話の節で述べることにする。
カッパまつり
引き続き、朝倉町史第七章 民話と伝説 第一節民話から引用します。
川まつりともいう。昔三島の里に、作兵衛さん(仮名)という働きものがいた。今日も一日の仕事を終えて、堀川の馬入れくんばで馬を洗っていた。馬洗いが終わり、自分も水浴びをしていた。ところが馬が何に驚いたのか、馬小屋目がけて走っていった。作兵衛さんも後を追い、馬小屋にいってみて驚いた。なんと手綱のわさに、カッパが手をつっこんでもがいているではないか。やがて隣近所のものが集まり大騒ぎとなった。「殺してしまえ」「見世物にだせ」といろいろガヤガヤ。そのうち一人の老人が「可哀想だから助けてやっては」と言った。里の衆も賛成した。
しかし助けてやるかわりに、次のことをカッパに約束させることにした。
「人流れがあったら必ず助けること。稲に水が枯れないようにすること」
カッパは快く引き受けて水の中に消えていった。その後三島橋のところから子供の人流れがあったが、どうしたことか三島車の「あらこ」の上で助かったという。またどんな日照りの年でも、川の水が枯れたことはなかったので、これはきっとあのカッパのお陰だと里の人は感謝した。
それからというものは、毎年十月二十日に部落あげてカッパまつりをすることになった。当日は世話人が竹筒三本に甘酒を入れ、それを竹笹にくくりつけて堀川とせり川にあげ、その余りをみんなでいただきカッパに感謝した。甘酒は刈り取り前の稲の穂をそいで作った。このまつりが終わらないと、稲取りは始められないという慣わしだった。この日は遠く筑後の方からも甘酒をいただきにくる人が多く、小学校も昼前で帰り、三嶋宮の境内は一日中賑わったという。戸渡しがあって座元になった二軒は、朝からご馳走をつくり接待の用意で一日中大変だった。何時の頃より始まったかははっきりしないが、今もこのまつりは続けられている。
こういう民話を見ると、地区は変わりますがこの太刀八幡宮の各地区で行われている川まつりも、農業の労働力としての牛馬に感謝することに加え、川の恵み、自然の恵みしいては大地・地球の恵みに感謝する形の現れなのだろうなと思います。
私の子供もよく荷原川に入って遊んでいました。
川に仕掛けたお魚キラーという網を毎日見に行って、時には鯰が入っていることもあり、川の恵みを体でたくさん感じることが出来たと思います。
その子供が無事に成長して、現在高校二年生の生活を楽しんでいるのは、カッパさんの助けもあったのだなと今更ながら感じます。
(中学校の先生からは、川では過去水難事故があったから、川には入らないように指導がありました。)
朝倉町史に書かれていますが、三島という地区では「小学校も昼前で帰り」とありますが、こういうお祭りこそ子供達が参加して、宮司さんから川の恵み・自然の恵みを学ぶことで、子供達の自然観を育てることになるのではないかなと思います。
村人あげての懇親会
この日、神事は神社総代・区長そして座元(お世話係)の参加で行われますが、宮司さんが帰った後、お昼には善光寺の皆さんが集まり、お弁当を頂いて新嘗祭のお祭りを楽しみます。そして座元の戸渡しという来年への引継行事が行われます。
ここ数年は、コロナ禍の影響で開催されず、今年もコロナの流行に加え、インフルエンザの流行により、懇親会は開催出来ませんでした。
区長からも、「来年こそは開催できることを祈念したい」と挨拶がありました。
私も来年は、川まつりの状況をビデオ撮影したいと思います。
何年、何十年と続いている文化が今後も続いていけるように、私も祈念したいと思います。
大自然の神様方、カッパさん いつもお守り頂きありがとうございます。
🙏